歯科で治療をする場合、一般には健康保険が適用されますので、高額な負担を窓口で本人や扶養されている家族が支払う必要はないはずです。

しかし、時として、このようなケースにあてはまらないこともあります。



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ローンで支払う費用が医療費控除の対象になるか

たとえば、インプラントや歯列矯正は、歯科で取り扱う技術としてはポピュラーなものではありますが、健康保険の適用が認められていない、自由診療とよばれるものにあたります。

これらは、どちらかといえば、治療そのものよりも、審美的な意味合いが重視されており、治療の方法としては、ほかにも安上がりな方法があると見られていることが影響しています。自由診療の場合には、健康保険の適用がない以上、その費用はすべて、本人がみずからのお金で支払わなければなりません。

いつもは健康保険の適用があるのでなかなか見えにくいものですが、自由診療を受けてみると、本来の歯科治療の費用はかなり大きなものになっていることがわかります。

これを一度に支払い切れない場合、歯科と提携しているデンタルローンに申し込みをして、いったん信販会社や銀行などの会社に立て替えてもらい、本人のほうは金利とともに、毎月少しずつ分割して返済をするという方法があります。

デンタルローンが利用できれば、費用が高額なためにあきらめていたインプラントなどの治療方法も試すことができるため、使い方しだいではたいへん便利なものです。

医療費控除について

歯科治療に高額な費用がかかってしまった場合、所得税の医療費控除を受けることができ、これは健康保険が適用される治療かどうかにかかわりがありません。

この控除についても、健康保険の適用外で一般に支出される水準を著しく超えるような場合にはやはり認められないとはされています。

しかし、たとえば治療のために金やセラミックの詰め物、被せ物を使用した場合などは、いくら材質が高額とはいっても歯科治療のために必要な範囲内にあたるため、控除は認められるというのが国税庁の解釈です。

また歯列矯正についても、単に見た目をよくすることが目的なのではなく、子供の成長を阻害する原因を取り除くために必要と歯科医師が判断して、そのような治療を行っている場合にはやはり控除の対象になるとされています。

デンタルローンを利用するような高額な歯科治療の場合にも、このような医療費控除の制度の対象になればメリットは大きいといえます。年間で10万円を超過し、保険金などで対応可能な部分を除いた実費相当の医療費の金額をその年の所得のなかから差し引いて所得税の税額を計算することができるためです。

つまりは高額な医療費を支払った分だけ、所得税が安くなるということですが、デンタルローンは治療費にあたるお金を借りることであって、直接治本人が療費をその場で支払っているわけではないので、果たして医療費控除の対象になりうるのかどうか、不安なところといえます。

ですがローン払いだとしても、その治療が医療費控除の対象になるのであれば控除されるので、大切なのは治療自体が対象となるかどうかでしょう。

まとめ

結論をいえばこのような場合であっても医療費控除は十分に認められることになっています。

確定申告をする場合には、金銭消費貸借契約が成立した年の所得についての控除を受けるのが基本です。歯科からの領収証そのものが手元にない場合は、代わりとしてデンタルローン契約書の写しなどを、確定申告の際の証拠書類とすることが可能です。

現在は確定申告で医療費控除をするときの証拠書類としては、治療を受けた人の氏名、治療をした医院や歯科医院の名称、治療にかかった金額などを記載した明細書があれば足りることにはなっていますが、後日、税務署から問い合わせがあったときに備えて、契約書はいつでも見られる状態で保存しておく必要があります。

また、このような治療をした場合には当然、何度も歯科医院と自宅との間を往復しているはずですので、電車やバス、タクシーなどの交通費もかかります。このような通院についての費用も、やはり控除の対象に含まれます。